企業の成長につながる

また、企業にはコンプライアンスを徹底することが必要であります。企業や経営者役員、末端の従業員まで法律に関する基礎知識は必須であり、たった一人法令違反が出てしまうと、企業経営が悪化する恐れがあります。しかし、コンプライアンスといっても何を守っていいか、なにを指導すればいいかという点で疑問が起こります。コンプライアンス法務では、社員の法務研修や社内の法律相談窓口を設けたり、誰でも簡単にわかるようなマニュアル作成なども必要になります。

とはいえ、法務の仕事内容は年々変化しています。事業活動がめまぐるしく変化する昨今において、法的トラブルや不祥事を未然に防ぐ、「予防法務」を考える動きが広がっています。予期せぬ事態に陥らずに、あらかじめ法的に整備して、紛争を防止することが事業戦略において必要となっています。法務部だけで解決できない諸問題は顧問弁護士に委託することもあるでしょう。しかし、弁護士の力で解決してもそこで終わらせるのではなく、その問題と解決策を法務部で整理し、次に生かせるように対策していくことは、企業法務にとって重大で企業の財産となりえます。企業法務の仕事とは単なる事務作業としてあるのではなく、企業の成長を支える重要な仕事といえます。

外部専門家も必要に

次に企業が株式会社として事業活動していくのに欠かせない組織法務があります。定期的に開催される株主総会や取締役会の運営はもちろん、株式関連の法的業務(発行や分割)、定款の新規・変更、子会社の設立などを担います。

企業の経営にあたっては、内部組織の適正な運営も必要不可欠となります。その代表的といえるのが株主総会や取締役会です。これらの招集や運営、議事録作成の手法などは法令によって定められています。企業にとって重要な判断をするにあたり、必要とされる取締役会や株主総会が開催されなかったりすると、会社の決定事項が無効とされたり、役員責任の追及となることがあります。そのためにも、法律を十分に理解した上で、これらの会議の招集や議事進行シナリオの作成や確認および、関連する手続きなども、適正かつ慎重に行わなければなりません。

大企業であれば、法務部門が存在して日常的に法律業務を行っていますが、全国の9割を占めるといわれている中小企業では、法務部門に詳しい人員を配置すること自体が困難なケースとなります。たとえ厳しくても、企業の経営にあたっては企業法務の重要性は大切なことといえるので、外部専門家の意見を取り入れることが必須です。

企業法務とは

企業が円滑に事業活動を推進していくに当たって、様々な問題を抱えることとなります。小さいことから企業の行方を左右する大きな問題まで、多岐に分かれて存在しています。もちろん、なんでもできるスーパーマンみたいな社員が何人も抱えているならば問題ありませんが、実際のところそんなことは不可能といえます。企業でこれら諸問題を自主的に対処できればいいのですが、トラブルというのは予期せぬところから発生したりします。交渉ごとに関わる契約書作成や株主総会・取締役会などの組織運営はもちろん、トラブルやクレームの対応、行政機関への対応など、様々なケースで法的に検討が必要になってきます。

近年、世間的にはコンプライアンスが多く広がっています。企業の法令遵守に関する世間やマスコミの視線は年々厳しくなっており、大企業だけに関わらず、時には中小企業が報道の目玉になっていることもあります。小さいトラブルが原因でも、企業が倒産に追い込まれ、また関連企業までが連結して業績悪化につながったり、下手をすれば倒産する羽目になってしまいます。このような状況をさけるために企業法務はとても重要と考えられています。

報道ではよく耳にするのが法を犯してしまい、違約金を多額に支払うケースがあります。独占禁止法などはニュースでよく見かけます。最近では企業内で法務部が立ち上がり、自社のコンプライアンスや契約書の審査などの対応に従事していますが、このサイトでは企業法務の中でも非常に一般的であり、重要度が高いものを順にご紹介していきます。

契約書には法的視点を

企業法務の仕事は、企業の事業活動に関わるすべての法律関係を網羅しなければなりません。把握しておかないと、いざという時にトラブルに対応できないことがあるからです。そのため、企業法務の仕事内容は多岐にわたります。業種によっては変わってきますが、実際にはどの企業でも同じことがいえますので、以下に分類されていきます。

まず、法務の仕事の中でも最も大きいといえるのが、契約・取引法務でしょう。これは一般消費者での立場でも同じですが、企業が交わす契約というのは、後のトラブルを回避するためにも必要です。契約には様々なものがあり、そのひとつひとつに適正であるかチェックが必要となります。企業活動に関わる売買契約や秘密保持契約、業種によっては業務委託契約などの条文をチェックする業務もあります。

しかしながら、契約書があっても、万一相手方との間で紛争になることがあります。その場合は契約書を解釈して、その問題の解決を図ります。契約書に記載のない事項は、慣行に倣ったり、民法や商法などの法律などによって解決することがあります。そのためにも、契約書というのは、ビジネス視点だけでなく、法律的視点からもチャックすることが求められます。